旬なイベント「サイクルロゲイニング」と、ママチャリで巡る信貴山周遊
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この記事は、2021年11月に行なった取材をもとに制作しています。マスクを外しての写真も一部撮影しておりますが、取材は原則、当時、大阪府下で推奨されていた新型コロナウイルス感染症対策(マスク着用など)を実施して行ないました。
今、ロゲイニングが熱い! 自転車はもっと熱い!
ロゲイニングとは、地図上に示されたチェックポイントを制限時間内に廻り、そのポイントの合計点数を競う、オーストラリア発祥のスポーツだ。東京オリンピック/パラリンピック時に奈良県がオーストラリアのホストタウンとなったことから、奈良県周辺で人気急上昇のスポーツである。
自転車もここ数年、街中でロードバイクやクロスバイク、ミニベロといったスポーツタイプのものをよく見かけるようになった。コロナの影響が大きいらしいが、自転車が走りやすいよう整備が進んでいるのも大きな理由らしい。
で、今回。2021年11月14日の日曜日。自転車で行うロゲイニング「信貴山サイクルロゲイニング 2021」というイベントが大阪府八尾市、柏原市周辺で開催されると知り、チームを募って参加! 楽しそうなことなら何でもするよ!
今回は、ママチャリで参戦
地図読みは得意なので、ロゲイニングは何度か経験済。好き♪ 自転車は自称ママチャリ道3段。スポーツサイクル経験なし。もちろん持ってもいない。
そういう訳なので、今回のイベント主催者のNPO法人スポーツサイクリング FABU projectさんに問い合わせ、自転車なら何でもOKの緩いイベントだと確認を取った上でエントリー。自転車は……レンタサイクルでいこう!
ここ数年で急速に普及したものの一つに、レンタサイクルやシェアサイクルがある。一昔前までは一部の有名観光地だけでしか見たことのなかったレンタサイクルが、最近ではあちこちに設置されている。観光の足としても市民の交通手段としてとても、非常に便利な存在だ。
今回も、スタート会場となる八尾空港の最寄り駅のすぐレンタサイクル発見。なんとママチャリのレンタル料が一日200円!ヘルメットは現場用で代用!よし行くぞ!
サイクルロゲイニングスタート
なんと当日は欠席者ゼロ!!驚異の参加率100%!!!ありえない数字に驚きと期待が高まる。
それでは素人サイクリストがゆる~くスタート!行ってきま~す!!
「その装備で行ったらすごいよ」の声に奮起し、十三峠を走破することに
特に目を引いたのは、大阪府八尾市と奈良県生駒市の県境にあるヒルクライムのメッカ「十三峠」。
標高:431m
標高差:375m
距離:4.1km
平均斜度:9.2%
最大斜度:14.7%
その展望台にチェックポイントがある。初めはこの峠を避けたルートを予定していた筆者のチームだが、途中で出会ったスタッフさんに「いや~。その装備で十三峠に行ったらすごいよ」と言われて作戦変更。峠にハンドルを向けた。目の前にそびえ立つ山。傾斜。これをママチャリで超える……ってマジですか!?
パワーチャージして、さて!がんばるぞ!目指すはあの山の頂!
太腿をパンパンにし、息を切らせて、どうにか展望台へ
たまに「ママチャリ!? マジで!?」という驚きと激励の目で見られながら、太腿をパンパンにし、息を切らせて、どうにか展望台へ! やった! 走破(って言ってしまおう)!
観光サイクリングを存分に楽しんで、ゴールへ
観光地から地元民でも知らない隠れた名所まで、様々なチェックポイントを廻っていく。歴史的スポットからのどかな田舎風景、温泉街等、想像以上に見どころが多いエリアだ。自転車を走らせてみると、あちらこちらで自転車道が整備されていることに気がついた。サイクリストが増えたのは、走りやすい道路が増えたのも一因だろう。
6時間の制限時間にちょっと遅れたけど、丸一日遊びきって大満足だ!楽しかったぁ!!!チームに感謝!イベントに感謝!運営さんに感謝!
参加賞としてゴール後に頂いた2本のバナナ。美味しすぎて2本ともペロリと食べてしまった。こんなにおいしいバナナ、今まで生きてきて真面目に食べたことがない!バナナに感謝!
12ヶ所のチェックポイントを制覇
【編集後記】
生駒山系のみどりを活かした広域連携のまちづくり
このイベントは、生駒山系の豊かなみどりや歴史・文化的資産などの地域資源を活かしたまちづくりの一つとして、公民連携で行われたものだ。
信貴山周辺にある豊かな自然や、多くの歴史・文化的資産を自転車で巡りながら、地域の魅力を再発見してもらおうと、NPO法人スポーツサイクリング FABU projectさんと行政(大阪府、奈良県、八尾市、柏原市、平群町、三郷町)が連携して取り組んでいるらしい。
コロナ禍で、リフレッシュのため、健康のため、身近なところで密を避けながらサイクリングやハイキングを楽しむ人も増えていると聞く。地域資源を活かした取組みは、このようなニーズに合ったものといえる。
自転車を活用した未来のまちへ
大阪府では、関西一円の豊かな自然や歴史・文化資源等を誰もが楽しめるよう、自転車を活用した広域連携によるまちづくりもめざしているらしい。
どういうものかというと、自転車というツールを活用しながら、行政がお互いに連携しあって、それぞれがもつポテンシャルなどを最大限に活かし、魅力あるまちづくりを広域で進めていこうという取り組みだ。
これまで主要な交通手段であった車から、自転車を活用した街へとシフトして行こうと言う取り組みは、他の都道府県でも最近多く行われている。サイクリングルートの整備、シェアサイクルの普及、サイクリストの増加。これらは全てそのような背景から進んだ社会的変化といえる。
地域資源を見直して磨く、ハードだけでなくソフトも充実、脱炭素社会、健康増進。サイクルスポーツを日常に。そう言った未来の街づくりが少しずつ、だけど着実に進んでいる。
10年後、20年後の社会は今とどう変わっているのだろう。考えるとワクワクが止まらない。サイクルロゲイニングを終えた後、ゴール後の参加者は一人残らず清々しい笑顔だった。この笑顔が、10年後、20年後にもっと増えていますように。